こんにちは
一級建築士試験も一次の学科試験が終わるとすぐに設計製図の勉強を始めなければいけません。
設計製図で図面の完成度を上げていくのに書き込み作業がありますが、なぜか資格学校では書き込み量について独自の考えしか教えません。担当教員の趣味による指導が先行してしまいます。
客観的な指標に基づいて程度を教えるべきだと思いますが、これに関しては総合資格学院でも日建学院でも納得いく説明を受けたことがありませんでした。
たくさん書いて密度の高いものがいいのは当然ですが、そこにこだわって内容が破綻していたら当然不合格になります。
受験当時どこまで書けばいいのかというのがもやもやして本当に図面作成が嫌になりました。この記事を読んでくれる方に少しでも苦い思いをしないで済むように記事を書いています。
闇雲にやるのもいいかもしれませんがしっかり方針設定をすることが合格への近道になると思います。
まず、方針決定の資料として最も客観的な指標といえるものは試験元が出している標準回答例です。
今回はそこについて考察していきたいと思っています。
(随時加筆修正していきます。)
書き込み密度
図面を見ればわかると思いますが図面の白い部分を恐れる必要はないと思います。普通に結構スカスカでも受かります。プランが見やすいようにしましょう。
スパン割のルール
学校ではコアなど入れるため7×7mを標準でプラン作成しますが、別に6m角や片方9mのスパンなどもよく見られます。どうしても収まらないときは臨機応変に対応しましょう。ただしスパンごとに50平米前後というのは守ったほうが良いでしょう。
2階建ての場合は6m×10mスパンもみられました。階数によって荷重条件が有利になると考えられる場合(これは実務やっていないとわからない感覚ですが)はそういうことも可能なようです。
https://www.jaeic.or.jp/shiken/1k/1k-mondai.files/1k-2013-2nd-hyojunkaito.pdf
トイレの書き込み
トイレ書きこみこだわるとすごく時間とられますが、ブースなんかは単線でいいですし、トイレの衛生器具はマルや三角で十分です。
個人的には試験元はあえてそのように描いて受験生に許可を与えていると考えています。
PSの位置、量
よくよく試験元が認めているPSの整理の仕方の範囲を確認しましょう。細かいことではありますが自信をもって処理することでプランの迷いが減っていきます。
逆にしてはいけないことは絶対にしない。そういう風に情報を整理していくことでエスキス力向上、わけのわからない図面を書くことが減っていきます。EPSの位置やその処理の仕方のパターンも整理しておきましょう。3m×5mの階段にセットで計画して桁行側、間口にそれぞれどういう風につけるかつけ方を覚えておくだけでも迷いが減ります。
外構の書き込み
樹木を色塗りしたりとかしてる標準回答例はほとんどないです。白抜きで十分かと思われます。
タイルの目地も斜め線で省略しています。省略表現をうまく使うのはぜんぜんいいと思われます。
(標準回答例はおそらくCADを使って書いているでしょうが、あえて省略表現を記載しています。これをどのようにとらえるかですが、私は試験元がそれを推奨とまではいわないが許可していると考えました。余談ですが、より絵としての完成度が大事なインテリアプランナーの試験でも省略表現を使って受かっています。)
ただし、入り口の表示や、水勾配はいつもしっかり書かれています。図面と情報として必要なことですので書きましょう。
記入必須なこと
上記、外構の部分でも触れていますが、敷地の出入り口、建物の出入り口、水勾配など細かいですが図面を表現する大事な要素なのでしっかりもれなく書く必要があるでしょう。
それも問題文の必要図面の中に大体下記のような形でさりげなく書かれています。こういうものをしっかりおさえたうえで、資格学校の指導を肉付けしていきましょう。
例えば配置平面図だとこうです。
1 階平面図・配置図には、次のものを図示又は記入する。
イ.建築物の出入口、通用口・搬入口
ロ.車寄せ
ハ.駐車場及び駐輪場(台数及び出入口を明示する。)
ニ.通路、植栽等
ホ.「敷地内の避難上必要な通路」の経路と幅
ヘ.歩道の切り開き位置
逆に密度より、要素としてこういうものがちゃんと描かれているかが重要になります。抜けないように日頃から意識しましょう。
各階平面、断面、立面でそれぞれ要求が異なりますので注意してみてください。
下記は以前の製図試験に関する記事です。合わせてご覧ください。
製図のテクニック・アイテムについて
製図のテクニックの中で最も基本的かつ重要な線の引き方について書いている記事はこちら
製図ので使う道具について、これだけあれば十分というのをご紹介している記事はこちら
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